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7月 消費者の権利(新版)

(著者)正田彬(岩波新書)*10年2月19日第1刷発行
<読んだ経緯>
・消費者庁の創設等「消費者」をキーワードにした大きな動きがある中、関連法律を整理して学ぶことが必要と考え、一番コンパクトな本書を購入した。
・当然のことながら、本書でいう消費者はライシュ「暴走する資本主義」などの(マスとして)否定的な使われ方ではなく、個人の面、潜在被害者としての面が重視されているが、どちらの面も真実だと思う。
<概要>
・第1章(消費者の地位・権利は、いま)では、「消費者の利益と事業者の利益の調整」という考え方について、事業活動が消費者の生活自体と関わってくる場合は調整問題ではないとする。その上で、消費者の権利として「消費生活の安心・安全・自由の権利」「商品・サービスを正確に表示させる権利」「(公営事業などで)価格決定に参加する権利」「必要な情報の提供を受ける権利」を挙げ、消費者基本法等の現行制度はそれを十分保障しているとは言えないとする。
・第2章(消費生活の安心・安全・自由の権利)では、食品安全基本法、食品衛生法等の問題点、輸入食品、パロマ問題などにおける監督機関のいい加減さ、訪問販売制度に見る原則(禁止)と例外(自由)の逆転等、現行制度の問題点について述べている。
・第3章(商品・サービスを正確に表示させる権利)では、遺伝子組み換え食品の表示の問題点、消費者に理解できない表示や行政庁を信頼せよとしか言わないマーク表示の濫造、不統一な表示基準などの現行制度の問題点について述べている。
・第4章(価格決定に参加する権利)では、独禁法が消費者の権利を守る制度であること、市場支配力を有する公益事業に対する規制強化の必要性、特に料金決定への参加の権利の重要性について述べている。郵政や地方の公営企業についても厳しい指摘
・第5章(必要な情報の提供を受ける権利)では、インターネット取引に対する総合的な規制の必要性等について述べている。
・第6章(消費者行政はどうあるべきか)で、著者は、消費者庁よりも独立行政機関たる消費者委員会を評価し、また、消費者基本法については、「(消費者保護基本法に比べ)一歩後退」と批判している。「消費者の権利」の文言は入ったが、具体性に欠けていること、国や自治体が「消費者の自立を支援する」ことや「消費者の責務」が謳われていることを危惧している。そして、「商品・サービスの所管行政庁と消費者行政庁の分離(後者による勧告・公表権と前者がそれに従うことの法定化)や地方への権限委譲を提案している。
・そして最後に、第7章(消費者に何ができるか)で、消費者訴訟等について論じている。
<感想>
・著者の消費者庁に対する危惧は残念ながら当たってしまったように感じる。しかし、消費者委員会が著者が期待したような役割を果たせているかというと、これも違うような気がする。「権限」「仕組み」は重要であるが、権限があればあるほどその発動は慎重になる。要は、情報は、どこかに集中することよりも透明であることの方、権限は大きいよりもいろんなレベルで発動できることが大事なのではないかと思う。

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2010年07月31日 | 法律、ルール | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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