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9月 日本の大問題が面白いほど解ける本~シンプル・ロジカルに考える

(著者)高橋洋一(嘉悦大学教授、光文社新書)*10年5月20日初版1刷発行
<きっかけ>
 帰省の本屋でたまたま発見。小泉改革で活躍し「さらば財務省」を書いた方が、各種政策問題について、コストベネフィット分析と世界標準という視点から一般向けに書いた本で、難しいところも多かったが、勉強になることがとても多い良書だった。もっともっと活躍してほしい方だと思う。

<興味を持ったテーマ>
(1)「公共事業、やめるべきか続けるべきかそれが問題だ(八ッ場ダムを例に)」
 「公共事業も、費用と便益(治水、利水)を比較すればよいし、ダムの便益計算は難しくないが、八ッ場の場合サンクコスト(埋没費用)があるからもめている。しかしそれも費用便益についての説明責任の問題」「費用便益をはっきりさせようと思うと、ダムなどは国ではなく地元が主体でやった方がよい」「八ッ場も利根川水系に関わる関東6都県が、レベニュー債(事業から得られる収入で償還する債権)を発行してやるのが一番よかった」「そうすれば、投資家と同じように事前に最も厳しい事業仕分け(利益が出るか)が行われることになる、公共事業の中に市場の原理を組み込める」
(2)「高速道路無料化が天下の愚策のわけ」
 「公共サービスについて、対価を取ることが技術的に可能ならば取る方がいい、それにより利用量のコントロールが可能となるから」「料金設定をよりきめ細かくし、ピーク・ロード・プライシングの効果を高める、そのためにはETCの活用が不可欠」「アメリカなどではクレジット会社が無料で取り付けるくらい廉価、日本は機器を高額にして国民の税金から補助する愚策、無料で配ってきめ細かな料金・交通需要政策をするなどの方がよいが、大きな政府=介入主義の民主党では無理」
(3)「民主党の政策、財源不足じゃないの?」
 「政権交代とは予算の組み替え(政治主導のシーリング)であるべきなのに、民主党は単にシーリングをはずしてしまった。各省庁は喜び、結果として、「組み替えなしの従来型の予算」に「マニフェスト施策」が上乗せされただけの予算になってしまった」「おまけに、民主党は事業仕分けなどで財務省に大きな借りを作った」
(4)「民主党には成長戦略がないけど大丈夫?」
 「産業政策は一度も効いたことがない」ここでの余談で、筆者がハローワークに手続に行ったときの体験(職員の態度の悪さ、管轄外の客は平気でたらい回しする、給付を受けるには数々の不快な質問に耐えなければならないなど)を披露し、実感を込めて「ハローワークを国でやる必要は全くない」と述べている。 
(5)「借金が973兆円もあって日本は大丈夫なの?」
 「日本の債務残高のGNP比は現在190%(戦時中の200%超に近づいている)だが、この比で見るのは世界標準ではない」「世界標準はバランスシートで見ること、日本のそれは負債800兆円に対し資産500兆円で300兆円の債務超過、民間では明らかに破産だが、国家は簿外資産ともいうべき課税権があるので民間とは異なる」「国の債務が返済可能かどうかは国に将来のキャッシュフローをもたらす課税権と国の債務残高が見合っているかどうかで決まる」「その標準的な尺度がプライマリーバランス」「菅財務相(当時)はこのことを理解しているとは思えない(が、竹中さんが登用された当時の財務省事務次官もプライマリーバランス自体を知らなかったのは有名な話)」「私が小泉内閣時代に作った、公債残高GDP比の改善=プライマリーバランスGDP比の黒字+(成長率-金利)×1.5、で全てが説明できる」「日本でしか通用しない(財務省主導の)比率議論等に惑わされないことが大切」
(6)「話題の負の所得税とは何ですか?」
 ここでは、01年の骨太の方針に掲げられた「社会保障個人会計」の採用がすべての出発点であることが強調される。年金や最近話題となった戸籍など国民を管理しているはずの制度が狭い縦割的(年金の場合は+無責任的)運用の中で不十分なものとなり、結果として膨大な税金の無駄遣いがなされていることが明らかとなっている。このようなことをなくすため、この問題は現在議論しなければならない最も重要な問題だと思う。「国民管理」には確かに慎重にならなければならないが、上記のように現在すでに(年金のような無責任な制度も含めて)管理はされているのであるから、それを一元化し、公正、透明なものにすることは、社会保障の議論だけでなく、各施策が真にどのような効果があったのか(所得再配分等)を把握するためにも不可欠なことだと思う。

<感想>
 上記のほかにも興味深い多くのテーマについて、最初に挙げた視点からシンプル、ロジカルに論じられており、大変勉強になるし、(理解できた部分の)大半は納得できる内容であった。ものごとを変に難しく考えず、シンプルロジカルに、かつ、声に出してオープンに話し合うことが最も大切なのだと思う。

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2010年09月12日 | ソーシャルキャピタル、ガバナンス | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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