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10月 実践 自治体の危機管理

(著者)田中正博(時事通信社)*03年10月15日第2刷
<きっかけ>
 ・「都道府県展望」9月号の著者の連載で、先の大阪市児童相談所の大失態を「クライシス・コミュニケーションの失敗例」として取り上げ、的確な分析(子どもの遣い以下の、意志も工夫も何もない対応で、助かる命が助からなかった)をしていたので、そこで紹介されていた本書をアマゾン中古で購入
 ・ちなみに、上記連載で著者は(児相の対応は論外として)厚労省の48時間ルールも役所目線であると厳しく批判している。
<概要>
(1)自治体にとっての危機とは何か
 ・「それは「住民(納税者)からの批判の発生と信頼感の喪失、つまり、住民やマスコミに対して、説明できないこと、説明しても納得してもらえないことを起こすこと」
 ・「最近多くの自治体で「サービス向上規範」を策定しているが前向きな行動規範ばかり」「大事なのはMUST NOTを示すこと」「自治体はサービス業だから住民の評価の物差しはモノではなく人に集約される。職員の「言葉」と「動作」が重要」「住民のサービスに対する要求には上限がないが提供できる量は減っていく、その中で職員の意識が重要となる→批判を生まないサービス規範」
(2)筋論クレーマーの増加
 ・まず、筋論クレーマーの特徴として「担当部署の最初の対応時の誠意の欠如を問題視する」等9つの特徴を挙げているが、全くそのとおりだと思う。
 ・「筋論クレーマーは行政のどんな対応に「誠意を感じられない」とするのか(行政側の失敗の原因)、第一は相手の言い分に対して耳を傾けない態度、第二は面談を避けること、第三は遅い対応」「初期対応の心得、①迅速な面談が誠意の表明となる、②1件のクレームの背後に100件潜在すると心得よ、③言い分を十分に聞く、④専門用語(業界用語)で相手を言い負かそうとしない、⑤反論、説得、弁解は感情を逆撫でる、⑥できないこととできることを明確に説明する」
(3)組織に危機をもたらす3つの原因
 ・「①職員の「危機意識(→緊張感)の欠落」」ここで、先の連載にも引用されていた「虐待のおそれのある家庭を14回訪問したが一度も会えなかった」市の例を挙げ「会えない時間帯に訪問を繰り返した」愚かさを、危機意識のなさを批判している。「危機意識は特別難しいことではなく「常識」なのである」という言葉は重い。
 ・「②管理職の「部門内処理」と「自己保身」」「③問題があっても指摘しにくい職場風土」
(4)危機管理の基本~クライシス・コミュニケーションの重要性
 ・「危機管理の要諦は、知識より意識」「危機管理は誰のためでもない、自分と家族を守るために必要なのだという意識を持たせる」
 ・「危機管理の失敗は「クライシス・コミュニケーション」の失敗であることが多い」「これまで危機管理といえばリスク・マネジメント、危機の予防に重点を置いた手法が中心であったが、どんなに予防策に力を注いでも危機は発生、発生した危機に不適切な対応をして問題を拡大するケースが続出」「こうしたケースでは「実害」よりも「対応姿勢」の是非が人々の信頼に影響」「起きてしまったことは仕方ない、という現実的な立場に立ってダメージを最小限に止める対応行動を考えるのがクライシスコミュニケーション」
 ・「クライシス・コミュニケーションの3つの要諦、①スピード(迅速な意志決定と対応行動)、②疑惑を生まない徹底した情報開示、③社会的視点(役所視点ではなく)に立った判断」
 ・「クライシス・コミュニケーションから見た情報特性、①先に接した情報ほどインパクトを持つ、②暴かれた情報は公表した情報よりインパクトを持つ、③情報不足が誤解、批判、非難を生む、④情報アクセスの違いが報道トーンの違いを生む(取材型報道はどうしても告発報道になる、記者がコメントを取りにきたときはストーリーが固まっていることが多い)」
 ・以下「緊急事態発生時のメディア対応」「緊急記者会見の設営」について、章を割いて詳しく解説
<感想>
 ・どれも納得できる主張ばかりで、今読んでも色あせていない良書
 ・大阪市児相の件では(「クライシス・コミュニケーションの失敗」に含まれるとも言えるが)、専門機関の組織内(だけ)で物事を解決しようと言う旧態依然とした意識も影響しているのではないかと思う。ニュース報道から、トップである市長が相談を受けていなかったことは間違いないが、担当者から市長までのラインのどこまで相談がなされていたのかをちゃんと検証しないと同じことは繰り返されると思う。「危機(と担当者が認識しなければどうしようもないが・・)に際していかに早くトップまで報告・相談できるか」という意識、仕組みを確保することが最も大事なことだと思う。以上

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2010年10月02日 | コミュニケーション | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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