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12月 自治体職員のための政策法務入門4 まちづくり課の巻

(監修)出石稔(執筆)横須賀市まちづくり条例研究会(出版)第一法規 *H21.10.5初版発行
<読んだ経緯>
・相談業務にも役立つ政策法務シリーズ(全5冊)の最終冊。都市計画や土地利用規制等を活用して住民とともに住み良い地域づくりを行う19のエピソードが展開される。
・自治法の大改正で、地方が知恵をしぼり、工夫を凝らした条例を競う時代になったこと、まちづくりはその最先端の分野であることがよくわかる。
・技術の高度化で従来考えられなかったような開発が行われるようになる一方、市民意識の向上により紛争が多発化していること、都市計画制度や規制法令に限界があることから自治体に対する期待が大きくならざるを得なくなっていること、自治体としては「指導要綱から条例へ」及び「総合的なまちづくり・土地利用調整条例の制定」などによってしっかりとそれに対応していかなければならないこととされる。
・最近の動きとして、まちづくり3法(都市計画法、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法)の見直し、経済への深刻な打撃となった建築基準法の改正、バリアフリー新法の施行等に加え、最高裁の重要な判例変更等(都市計画決定の処分性、景観利益の承認、指定確認検査機関の国賠責任を自治体が負う)についても語られており、とても勉強になる。
<興味を持ったエピソード>
(1)市民参加のまちづくり~都市計画手続条例
 ・地方分権一括法と連動した都市計画法の改正によって住民への情報提供や住民からの意見を反映する制度が充実、併せて、条例で必要な事項を定められることとなった。
 ・本書では、手続条例の内容として、都市計画を提案できる団体の追加、提案できる規模の引下げ、(公聴会だけでなく)説明会の義務的開催などが紹介される。また、条例だけ見れば都市計画決定の一連の手続が理解できるような内容とする試みについても紹介
(2)出前講座あります~地区計画説明会
 ・地区計画とは、住民の合意に基づいてそれぞれの地区の特性にふさわしいまちづくりを誘導するための計画で、昭和55年に創設。本書では、1ha以上の開発行為を行う事業者に対して地区計画導入の努力義務を課し、そこに様々な規制をかけている例や、改正法を活用して住民に地区計画の提案を認め、住民と協働でまちづくりを行う例などが紹介されている。
(3)定期点検実施中~土地利用基本条例とまちづくり条例の体系化
 ・かつて法と現実の隙間を埋めるために制定された開発指導要綱が、93年制定の行政手続法により実質的にその効力を失う一方、99年の分権一括法による条例制定範囲の拡大や権利義務規則の条例義務化の動き中で条例化されてきたこと、さらには、単なる条例化だけでなく課題解決のための法・条例の体系化、条例のPDCAサイクル化が目指されていることなどが紹介される。
 ・次に、土地利用基本条例等の内容が、ノーアクションレター的なもの(関連法令確認制度)などの新しい動きも含めて語られている。
(4)「がんばります!」宣言~法令事務条例の活用
 ・条例の体系化の例とし、国の法令に基づく事務の基準、手続などを定める「法令事務条例」と、自治立法権にもとづく独自の事務に関する条例を創設し、その基準・手続を定める「自主条例」に整理する例を紹介
 ・開発許可の審査基準は、行政庁の裁量で定められるべきものであり、議会制定法の条例で定めるのになじまないという意見もあるが、本書は問題ないという立場である。条例化されれば必然的に公表されるので、その面からも本書の立場が望ましいと思う。
(5)崩落~分権と法執行条例
 ・緊急避難的に制定された宅地造成等規制法には不十分な点があるので、それを法執行条例、自主条例でカバーする例が出てきている。例えば、①造成主の資力、②施行者の能力、③計画書提出の義務づけなど。本書では、それに加えて、土質調査や防災保証金の拠出義務づけなどについても問題提起している。
(6)ご近所の皆様へ~開発指導要綱の条例化
 ・ここで、宅地開発要綱の条例化における論点がまとめられる。まず、「住民同意」は、財産権の保障との関係だけでなく、行政権を住民が行使することになるので明らかに違憲、違法とし、それに代わり、住民説明とその報告書の閲覧の義務づけ、住民意見提出制度などの導入、その実施を承認基準とした条例による承認制度(行政処分)と違反者への罰則制度の創設などを提案している。
 ・また「調整は他人のためならず」という章では、従来私人間の問題であり市が関与すべきではないとしてきたまちづくりや建築に関する紛争について、この条例に紛争解決制度(ADR)を設けて先進的に取り組んでいる例が紹介される(申立者の限定(「近隣住民」「付近住民」)、あっせん前置、応じない場合の公表等)。この場合最も難しいのが、あっせん等主催者である市の中立性がなかなか理解していただけないことだとされている(「市は住民側の見方であるべき」)。以上

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2010年12月14日 | 法律、ルール | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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