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11月 専守防衛~日本を支配する幻想

(著者)清谷信一(ジャーナリスト、祥伝社新書)*10年3月10日初版第1刷発行
<きっかけ>
 中国漁船の問題が紛糾する中、本屋で平積みになっていた本書を購入。最初の部分は、ネット掲示板のタネ本的(自信過剰で他者に対して侮蔑的)論調で、読むのをやめようと思ったが、著者専門の軍事関係の記述となる中・後半は一転して冷静で説得力あるものとなり、一気に読ませられた。全体としてはまともな本だと思う。
<概要>
・まず孫子の「百戦百勝は善の善ではない、戦わずして相手を屈するのが善の善だ」という記述を引き、「専守防衛は、抑止力が効きにくく戦争を誘発しやすいので、孫子の言葉を実現しにくい戦略であり、専守防衛を徹底しようとすれば必然的に重武装にならざるを得ない」とする。
・「シビリアンコントロールのない国」の章では「日本のように内局官僚が自衛隊を統制するのは異例、軍と官僚が車の両輪となり、それを政治家や政治任命の人間が統制するのが本来のシビリアンコントロール」「日本は政治家が制服組とまともに向き合わず、政治家たちが負うべき責任を軍人に押しつけているだけで、シビリアンコントロールなどではない」「実際、日本の防衛予算のようなドンブリ勘定以前のいい加減な策定・執行を許している(内閣も国会もチェックしていない)国はない」「だから制服組は政治家を軽く見る」
・「日本の防衛は隙だらけ」の章は、色々具体的事例を挙げて、専守「防衛」になっていないことを警告
・「冷戦は終わっていない」の章は、各国の軍事力の分析で、ページ数も一番多く読ませる。「ロシアは量的にも質的にも日本と事を構えられる状況にない」「北朝鮮の最大の問題は国家崩壊の時、その場合も含め、韓国は日本にとって潜在的脅威」「最大の脅威は中国だが、中国に日本を占領するような意図も能力もない」「中国艦船の違法行為に断固たる処置を執ることが大事、中国は対米防衛戦として、第1列島線(九州~沖縄~(尖閣)~台湾~フィリピン~マラッカ海峡)と第2列島線(伊豆諸島~小笠原~グアム~パブアニューギニア)を引き、第1は10年までに、第2は20年までに防御を固めるとしている」「中国は日本が手荒なことをしないと知っているので大胆な行動を取る」「中国にとって武力衝突の可能性が最も高いのはインドで、アフリカとのシーレーンの脅威となるなど、そのため中国はミャンマー政府からベンガル湾沿港湾施設の利用権を得ている」「戦略的にインドを支援するべき」
・「日米同盟は信用できるか」の章では、「日米同盟に対するメディアの報道を疑うべき、日本関連の政策で食べている人たちからのマッチポンプ的情報が多い」とし、安保はアメリカにとっても必要なものであり、また、「日本は駐留米軍1人あたりの負担経費が世界で断トツの1位(2位イタリアの4倍弱)」などの実態を述べた後、「思いやり予算の廃止、横田基地の廃止」などの提案、そして、「貧すれば鈍す」のアメリカにだけ頼らず、日本は、自らにとって最重要な国境線(水際)を守る、自衛隊と警察の中間的な国土保安隊を作り、現在の無駄な自衛隊の予算を活用し、また、人員は現代の屯田兵として、島嶼防衛に従事してもらうなどの政策を提言している。
<感想>
 細部についてはよく分からないが、日本の政治家の人たち(=国民)が自衛隊にまともに向き合ってこず、シビリアンコントロールが形骸化している悲劇は指摘のとおりだと思う。「本音と建前」などの旧来の悪習から抜け出して、対内的にも対外的にも真の「対話」をしていかなければいけない、その時、著者のような軍事情報をよく知る人の意見などは冷静に聴かないといけないのだと思う。以上

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2010年11月21日 | 歴史、哲学 | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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