スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--年--月--日 | スポンサー広告 | とっぷ

2月 日本の「安心」はなぜ、消えたのか

(著者)山岸俊男(北大院文学研究科教授)(出版)サンマーク出版
<読んだ経緯>
・「安心社会から信頼社会へ」「社会的ジレンマ」などの山岸教授の最新作が出版されたため購入
<概要・感想>
・本書は、著者が人間が利他的に行動する理由を学際的に研究しているプロジェクトに参加する中で考えたこと
・著者は、「人間の利他性の源泉は「情けは人(他人)のためならず」にあり、現代日本の抱えている問題の根底に、「情けは他人のためならず」を支えてきた仕組みの喪失」がある」と考えている。
・第1章「心の荒廃、いじめなどに、心の教育、心がけだけでは意味がない」
・第2章「いわゆる日本人独特の心の性質や日本的会社人間などというものはなく、そう振る舞うことが日本の社会において最も適合した行動(戦略的行動、デフォルト戦略)であったからである。(余談)人間はいいことは自分のせい、悪いことは他人のせいにしたがる」 
・第3章「多くの日本人は、自分は個人主義的だが、周りの多くは集団主義的と思っている、また、日本人は、例え損をすることになろうとも一匹狼の道を選びたがり、アメリカ人はある程度の損は承知で他者と協力していこうとしているという調査結果を紹介。その原因として、日本人よりアメリカ人の方が他者一般への信頼感が強い」ことを挙げている(←著者の主張である日本人は身内、仲間内を信頼する安心社会を作ってきた(他人は無視、排除する)ということとも関連)
・第4~5章「いわゆる日本の集団主義社会は「信頼」を必要としない社会であった」という著者の年来の主張を詳述
・第6章「信じるものは得をする」ということを、囚人のジレンマ(社会的ジレンマの一つ)などから解説、しかし、「「高信頼者」はお人好しではなくシビアな観察者(リアリスト)、低信頼者は単なる悲観主義者、高信頼者は他人との協力関係が生きていく上で不可欠であることを認識しているので、協力関係を築こうと積極的に行動する、その中で他人への検知能力を身につけるというポジティブスパイラルが、低信頼者はネガティブスパイラルが働く。」
・第7章「しかし低信頼者は劣っているのではなく、閉鎖社会の中では多数派で何の問題もない。閉鎖社会では「関係性検知能力」(空気を読む力、社会的びくびく人間)が必要である」(余談)人間の知性は何種類もある(ホワイド・ガードナー7つの知能①言語的知能、②論理/数学的知能、③音楽的知能、④空間的知能、⑤身体運動的知能、⑥自省的知能、⑦対人的知能)」「心の道具箱仮説:誰の心の道具箱にも信頼性の検知能力、関係性検知能力などがあるが、置かれている環境によってよく使われる能力が上に行く。空気を読む若者が増えているとすれば、我が国の未来は大変」
・第8章「どうすれば、私たち、若者たちが信頼社会の海に飛び込めるのか。それは、人々が相手との信頼関係を安心して構築できる環境をつくることである」「社会的ジレンマ(皆で協力し合えば全員得なのに、他人を信じられず全員が損をする、私一人くらい悪いことをしても・・)解決の手っ取り早い方法は社会全体を安心社会にすること(相互監視)だがそれは無理」「モラル教育も効果がうすい」「アメとムチは巨大なコストが必要」「利己主義、利他主義以外の傍観者が問題、これを臨界質量に達しないようにすることが重要で、①最初から全員に働きかける必要はない、協力行動を選ぶ人がほんのわずかでも臨界質量を超えていれば「みんなが主義者」は協力になだれ込む、②そのためにアメとムチの使い方が大事」
・第9章「信頼社会(正直者が得をする社会)の作り方、なぜジェノバ商人は勝てたのか(ジェノバは正直者を守る)」「ネット社会でも「評判」が信頼社会を作る」
・第10章「武士道精神が日本のモラルを破壊する、ジェーン・ジェイコブズの「市場の倫理統治の倫理」を引用し、商人のように行動する統治者、統治者のように振る舞う商人が最悪の社会を作る、今こそ商人道を」で結ぶ

スポンサーサイト

2010年04月24日 | ソーシャルキャピタル、ガバナンス | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

コメント

コメントの投稿



管理者にだけ見せる

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。