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12月 教育の職業的意義~若者、学校、社会をつなぐ

(著者)本田由紀(東京大学大学院教育学研究科教授、ちくま新書)*10年4月20日第3刷発行
<きっかけ>
・5月頃か、労働・就業相談などを行っているNPOが著者を招いた講演会を開催したが残念ながら行けなかったため、講演テーマでもあった本書を購入。積ん読状態であったが、今回気を取り直し再度挑戦
・丁寧な説明でわかりやすく、著者の持つ危機感はよく伝わってくる。今の日本現実に対して根本的な問題提起をしている本だと思う。しかし、当然ながら大変なテーマであるので、著者も「社会の体質改善とも言うべき地味な提言」と言っているが、一人でも多くの人がこの問題意識を共有することが大事なのだと思った。
<概要>
・「本書の目的は、日本で長らく見失われてきた教育の職業的意義の回復が今まさに必要とされていることを広く世に訴えること」
・「なぜ今教育の社会的意義が求められるか」「若者の仕事の世界が「ジョブなきメンバーシップ」を原理とする正社員と「メンバーシップなきジョブ」を原理とする非正社員という二つの両極端の世界が併存し、いずれをも苦境に陥れている」「それに対して若者たちがあまりに無防備、対応する、自己を守る能力を一切教育されていない」
・教育の職業的意義が、受け入れ側の企業からも、教育学の内部からも軽視されてきた歴史を記述
・「日本の教育機関における教育の職業的意義は国際的に見ても極めて低い。日本の学校や大学は仕事の世界に向けて若者を準備させるという重要な機能が他国と比べて明らかに弱体」
・「大学教育の職業的意義の低さは大学教育そのものの正当性やそこへの資源の投資の合理性を揺るがしている。学費が高いにもかかわらず卒業後の仕事に活用されないということは、大学生とその家族が無駄な出費を強いられていると言うこと」「企業の新規学卒一括採用も教育の職業的意義を低下させている、中途採用の方が新卒採用よりも多いイギリスなどのやり方を検討することは、企業にとっても離職防止などにいいはず」
・「今行われているキャリア教育は自己実現アノミーなどと言われるように、若者の不安や混乱を助長させている」「意欲だ、熱意だ、コミュニケーション能力だ、などという煙に巻くような抽象的なものでなく、特定の専門領域にひとまず範囲を区切った知識や技術の体系的な教育と、その領域及びそれを取り巻く広い社会全体の現実についての具体的知識を若者に手渡すことが重要」
・「教育の職業的意義の主張に対して「従順さを調教するものだ」などの意見もあるがそれは誤り」「閉塞状況にある教育学ではなく、むしろ社会学から提起されている「職人技、物語性、有用性という3つの要素が、不要とされることへの不安の中を生きる労働者にとっての文化的な錨となる」という指摘の方が重要」
・「教育の職業的意義を構築するためのインフラ整備(不適応の場合のやり直しの保障、リカレント教育の保障、企業における職種別採用の拡大、セーフティネットの充実等)が必要」以上

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2010年12月23日 | 福祉、雇用 | こめんと 1件 | とらば 0件 | とっぷ

コメント

とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。

2010年12月24日 / あろえ #-URL編集

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