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12月 世論の曲解~なぜ自民党は大敗したのか

(著者)菅原琢(東大先端科学技術研究センター特任准教授、光文社新書)*09年12月20日初版1刷発行
<きっかけ>
 メルマガで今この本がよく読まれていることを知り購入。郵政選挙から先の政権交代選挙までの政治家やマスコミ関係者の認識した「世論」が、いかに(真の)世論と違ったものになっていったかということを、詳しいデータ分析から導いている。データの見方についてとても勉強になる。
<概要>
・「先の総選挙の敗北の原因を「小泉政権の負の遺産」とする政治家、マスコミ関係者が多いが、それを示すデータは一切ない」「逆に、自民党が苦手としていた都市部住民、若年層と中年層の支持を獲得するという小泉が書いた処方箋を捨ててしまい、党首人気という根拠のない療法に頼り、病気を悪化させたもので、当然の帰結というべき」
・「人は自分の考えや事前に有している印象や情報に従って物事を解釈しがち、都合のよいものだけを選び取ってしまう習性(確証バイアス)がある。自民党の政治家や番記者たち(専門家)が誤った進路に舵を切り、誤った報道を繰り返したのはこの確証バイアスが背景にある」
・「郵政選挙は、データから見て、従来の自民党が支持されたのではなく改革を進める自民党が支持されたものだが、政治家や評論家は国民がお題目やテレビに踊らされたなど異なるイメージで捉えた」
・「07年参院選で自民党は1人区で負けて大敗したため、小泉構造改革で農村が疲弊したため(逆小泉効果)と分析するむきがあるが、1人区の自民党の票は減っておらず、増えた投票率の分が野党に行ったための敗北であり、その人たちが古い自民党の復活を支持しなかったため」
・「「逆小泉効果」という分析は、著者の指導教官の樺島東大教授(当時、現熊本県知事)らの誤ったデータ分析による調査論文とそれを真に受けた全国紙などの論調が大きな影響を与えた」(痛烈だが、説得力ある批判)
・本書の後半は、なぜ自民党が麻生氏のような人物を代表に選び、大敗したのかの分析。まず、「当初は政治家もマスコミも(フジサンケイグループを除き)国民の中に麻生人気があるなどと考えていなかったが、各マスコミの次の首相調査の中で麻生氏が最有力候補になっていく、すなわち「総裁選に出たから」次の首相調査の数字が上がっただけ」
・「政治家や番記者が安部氏や麻生氏を人気だと見誤ったのは確証バイアスによるものであり、その原因にネットの見過ぎがある」と考える著者は、ネット上の各種データから「若者右傾化論」が語られていることを例に、ネット世論の危うさについて論じる。「ネット上に世論があると考えること自体ばかげている。「ネット小言」などと言い換えるべき」
・現代における世論と政治の関係について「普通の人にとって政治は遠目で眺めるものでしかないが、政治家や番記者には普通の人は見えず、政治に何かを求める人たちの「世論」や世論調査や選挙結果の数字しか見えない。小泉後の自民党が支持を失ったのは、世論と「世論」の乖離を整理し理解できなかったため。彼らは「世論」に合わせて世論調査や選挙結果を解釈し対応を誤った」
・「世論が正しいとは言わないが、(真の)世論を理解してこそ適切なつきあいができるのであって、そのリテラシーを有しない学者や評論家にだまされないようにすることが大切」
<感想>
 著者は世論が常に正しいとは主張していないが、それでも政治家や番記者の周りの「世論」よりも正しいし、安定しているものと捉えているようだ。ただ、世論自体については、宇野重規「私時代のデモクラシー」や、今読んでいる内田樹「街場のメディア論」における捉え方(結構シニカル)の方が何となく実感に合う。以上




 

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2010年12月18日 | コミュニケーション | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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