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5月 ルポ貧困大国アメリカⅡ

(著者)堤未果(岩波新書)*10.1.20第1刷
<読んだ経緯>
・著者は同時多発テロに遭遇し、以後ジャーナリストとして、(新聞などではわからない、にわかには信じがたいような)アメリカの現実を伝えている。前作も含めてできるだけ購入するようにしており、本書もすぐ購入したが、日本の雇用関係の本などを先に読んでいたため読むのが遅れた。前作同様これが日本の将来(現在)かと思うと憂鬱になる。
<プロローグ>
・オバマ大統領の就任式で熱い期待を語る多くの人々(差押えられた人、医療保険を払えなくなった人等)、政権交代で自分たちの生活が変わることを確信している人々。
<第1章公教育が借金地獄に変わる>
・アメリカの大学の学費の高さに驚く。「カリフォルニア州立大に通う娘と息子はそれぞれ4万ドル以上の学資ローン(利率18%)を抱えている」「学生の平均借入額2万ドル」
・「縮んでいく奨学金(親世代では学費の7割をカバー、今は3割)、拡大する学資ローン」政府が創設した学資ローン会社(サリーメイ)CEOの報酬が4億5千万ドルに驚く。
・「ローン破綻する学生達」「サリーメイの取り立てマニュアル(近所の住民にも嫌がらせの電話をかけること、借り手に正しい情報を与えた社員がいたら解雇する等)」「消費者保護法や自己破産免責からも除外」
<第2章崩壊する社会保障が高齢者と若者を襲う>
・「父親と息子が同時に転落する」「アメリカの失業保険の給付期間は半年」「増大する退職生活費(主に医療費、退職後会社の医療保険を失うと必要な医療費は夫婦で20万ドル。ナーシングホームに入る場合は平均で年間744万円(個室))、貯金できない退職者達」「拡大する高齢者のカード破産」
<第3章医療改革vs医産複合体>
・「歯科保険を持っていないアメリカ人1億人(3人に1人)」「歯と貧困は深い関係(自然治癒がない、歯の状態が採用に影響等々)」「フリー(無料)医療に長蛇の列、長距離バスで25時間かけて来た人」「労働人口の2/3が無保険又は必要な医療を受けていない人」「GDPの1/7を超える医療費と国民の7人に1人の無保険者」
・オバマ・ケア(医療保険改革)
「4700万人の無保険者の大半は65歳未満かつメディケイド該当ほど貧困でない人。年収2~4万ドル層で無保険者は41%、4~6万ドル層でも18%」「医療費が払えず破産申請している国民90万人、その75%が医療保険を持っている」
・「排除される単一支払い皆保険制度派の声」「保険業界など発の反オバマ・ケアの声の高まり」の中で「いつの間にか「公的保険+民間保険」か「民間保険のみ」かの選択に」
・「コンビニ・クリニック(薬局で処方)の繁盛」
・「公的保険の導入で民間保険は競争を迫られ医療費が下がるという意見もあるが、加入者を選べる民間保険は何ら変わらず、医療費を決定している現在の医産複合体はそのまま残る可能性が高い」
(参考)その後成立した法律について(朝日新聞ニュースから)
   「民間保険の加入基準の緩和や保険加入のための政府の補助などによって、保険加入率を現在の83%から95%まで引き上げることが可能としている。オバマ氏が当初掲げた新たな公的医療保険制度の創設は見送られた」
<第4章刑務所という名の巨大労働市場>
・「借金漬けの囚人達(訴訟費用の未払い金8900ドル、それに伴う利子と罰金1万3千ドル)」
・「グローバル市場の1つとして花開く刑務所ビジネス」「アメリカも非正規労働が労働人口の3割、株価成長職種トップ10の7までが技術も学歴も必要としない低賃金職種」「より低賃金労働を求める企業に注目されているのが刑務所」「電話交換業務を刑務所にアウトソーシング」
<エピローグ>
・オバマに対する失望が広がる中、リベラル派でよく知られた政治小話(政治家を説得するのではなく、政治家がそれを実行しやすくすることこそがポイント)を引用して、「オバマを自分たちと同じ市民だと考えるのは間違い。彼はまぎれもなく政治家」「オバマを動かせ」
・「世界を飲み込もうとしているのは「キャピタリズム(資本主義)」よりも「コーポラティズム(政府と企業の癒着主義)」の方だろう」
<感想>
・エピローグの政治小話のとおりだと思うが、「身近な政府にこそ権限と金を付与(政治過程の透明化を前提)する」ことの方がもっと大事のような気がする。

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2010年05月05日 | 福祉、雇用 | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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