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6月 民法の”なぜ”がわかる(第2部契約から民法を学ぶ~取引保護の規定とは)

(著者)前田達明(有斐閣)*05年11月30日初版第1刷
*第1部と同様、新しく得られた知識(=ひょっとして人の役に立つかも知れないこと)を中心に記載する。
<第6章契約の基本原理>
・意思表示の構造「意思表示を分析すると、動機→効果意志→表示意志→表示行為となるが、動機は法文から言って原則として意思表示の要素ではない」「通説は表示意志も意思表示の要素であるとする」「表示行為は意思表示の成立要件、効果意志は成立要件でなく効力要件。表示意志については表示主義と意思主義でどちらであるか争いがある」←(感想)恥ずかしながら「表示意志が意思表示の要素である」ということは初めて聞いた。ただ、この概念の意味についてはトリーア市の競売の例などが掲げられているが、読んでもどうしてわざわざ「表示意志」という概念が必要だとするのか理解できなかった。単純に「効果意志がない」でなぜだめなのだろうか。ひょっとすると、ある類型の意思表示について、成立要件の段階で争う(表示意志必要)べきか、効力要件の段階で争う(表示意志不要)べきかという考え方の違いによるのかも知れないもしそうだとすると、素人には大変わかりづらい議論だと思う。
・意思表示の効力発生時期「到達主義を採用(不着や延着のリスクを表示者が負う)」「97条1項は「隔地者となっているが、電話の相手や目の前の者との間でも適用」「表示者が、相手が了知可能でないことを知り得た場合(相手方が勾留中)も効力は発生しない」「相手方が故意に受領しない場合は到達したものとする」「不在で配達できない場合到達とは言えないが、受領の意思があれば大して苦もなく受領できた場合は不在配達通知を郵便箱に入れた日の翌日から起算して8日目に到達」「FAXは印字が終わったときだが、夜中の2時3時でもいいのかは疑問(私書箱は8時~20時)」「メールは相手方の情報システムに入ったときだが、FAXと同じ問題も」「到達主義は相手方の受領能力が前提。相手方は、未成年者や成年被後見人の受領能力を主張できないが、自ら側からはできる」「到達主義の例外(発信主義)は、発信者保護の必要な場合(割賦等)や株主総会招集通知等の外、契約の成立時期も(立法論としては到達主義にすべきというのが大勢)」
・任意法規(91条)と慣習(92条)「92条は慣習が任意法規に優先、法例2条は逆を定めているので、この調和に苦労」「通説は、法例2条(一般法)は任意法規が慣習に優先することを定めているが、民法92条(特別法)は法律行為については慣習が任意法規に優先すると定めていると解している」
・法解釈の価値判断基準「第一は合憲性の基準、第二は立法者意思基準、第三は立法目的・趣旨基準(立法者意思から推測される)、第四は歴史的解釈」「以上の価値判断基準に従って出された結論(=価値判断)を理由づける言語的表明方法が法文内の解釈(文理、論理(拡大・縮小))と法文外の解釈(類推、反対)あるいは反制定法的解釈」
<第7章契約と意思表示>
・動機と錯誤「錯誤論を体系づけたサヴィニー以来、表示錯誤(表示上の錯誤と表示内容の錯誤)と動機錯誤(性質錯誤等)を区別する二元説が通説」「性質錯誤を動機錯誤とするのは特定物ドグマ(特定物は「その物」を引き渡すことによって引渡義務を果たしたことになる。贋作等は隠れた瑕疵であり、売主は法律が特に定めた瑕疵担保責任を負う)による」「しかし、動機も表示されれば意思表示の内容となり、表示は黙示でもよいとされ、更には黙示さえ問わない判例もあり、一貫していない。また、表示されていても認めない場合もある。表示錯誤と動機錯誤の区別も簡単ではない」「表示錯誤と動機錯誤を区別しない一元説(信頼主義説)、この説は相手方の善意無過失を要件とする」「新二元説(動機錯誤も自己責任)」「新一元説(合意原因(コーズ)に錯誤があれば無効)」「まとめ、無償契約では表意者保護を優先(表示なき動機も無効)、有償契約では相手方保護を考慮(表示ある動機も有効、相手方も情報収集の失敗のリスクを負うべき場合は無効)、担保契約は無償契約であるが有償的性格もあるので、契約内容以外の錯誤は無効とすべきではない、とすべき」
<第8章契約と法律行為>
・法律行為と準法律行為の関係「意思の通知には類推適用あり、観念の通知も認めてよい。でも判例は、債権譲渡通知に93条本文(心裡留保)の類推適用を否定」
・取締法規と公序良俗違反「食肉営業許可を受けない業者の契約は有効とする一方、食品衛生法に違反するアラレ販売は無効とする」「結局立法趣旨や信義公正から判断するしかない」
<第9章契約と代理>
・顕名主義「署名代理(代理人BがA代理人Bと書かず直接Aと書いた場合)は、通常相手方も知っているから有効とされるが、相手方がBをAと思い、それが重要な要素(賃貸借契約等)の場合錯誤の適用可能」
・表見代理「保管を頼んだ実印を悪用された場合110条の適用可能性があるが、これからの障害者・高齢者社会でこのようなことは多くなるので、動的安全重視ではなく静的安全の復権が必要」「第三者に求められる正当理由は、は善意無過失のことであり、通信手段の発達した現代では本人への調査確認義務を果たすことを要求した方がよい」「本人名義の権限喩越にも110条が類推適用されるが、貸金業者の自動契約機が用いられた場合などでは業者側に強い本人確認義務を課して類推を認めない」
・代理権の濫用「代理人が自己又は第三者の利益を図る場合、110条ではなく93条が適用され、相手方保護が厚くなるので妥当だが、法定代理(親権濫用)などの場合は、本人保護を図るべき」
<第10章契約と時効>
・援用の法的意味「判例は、実体法説の不確定効果説の停止条件説で、妥当」
・援用権者「立法者は全受益者説であったが、判例は直接受益者説で、徐々に拡大しているが、借家人が家主の、後順位抵当権者が先順位者の援用は認めていない(後者の場合後順位者が債権者代位権で援用することは可能)」以上

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2010年06月06日 | 法律、ルール | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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