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6月 しまった!~「失敗の心理」を科学する

(著者)ジョゼフ・T・ハリナン(訳者)栗原百代(講談社)*10年1月25日第1刷発行
<読んだ経緯>
・日頃から「しまった」と思うことが多いので、題名に共感し購入
・「もう少しお互いに分かり合えないものか」と思うケース(人々の間の紛争・分断)に多々出会うが、その人たちに「人間はよく間違えるし、思い込みの激しい生き物だ」ということをよくわからせてくれるこの種の本を読んでもらえれば、共通の土俵ができ、無用な争いが減るのではないかと思う(「ナッジ」など行動経済学的な本も)。

<はじめに「なぜ私たちは「間違う」のか?それは・・」>
・「イギリスで自警団が「小児科医」と「小児性愛」を間違えて襲撃事件を起こした事件」「人間はよく間違える、私たちは皆無知の犠牲者」「間違いの原因が人為的と判明した途端追求はストップ、それではミスはなくならない」「人が世界を見たり、記憶したり、感知したりする方法は総じて体系的な偏りを帯びている」「例えば、職業やブランドに対する思込み、耳障りな情報を忘れることなど」「無知を自覚すればきっとためになる」
<第1章「見ていても見えているとは限らない」>
・「人は全てが見えていると思っていても、しばしば重要なものを見落としている」「ひったくりを目撃したとき、女は被害者の容姿や行動、男は犯人の風体をよく覚えている傾向」「交差点で右利きは右折、左利きは左折を選びがち」
・「人は自分と同じ集団(人種等)の顔は異なる集団より見わけやすい。スキム(情報の表面的な理解)をしているため。スキム自体は生きていく上で必要なこと。自分の関係する人たちか、そうでない人たちか区分し、前者のみ詳しい情報を得ていけばよい(そうでなければ暮らしていけない)」「問題は「スキムしている」という意識がないこと」
・「何が見えるかは何を探しているかに規定される(見つからないものは見つけにくいもの)」「探索をやめるいき値(限界)がある。探すのが難しそうだと早めに諦めるようプログラムされている」「訓練を受けたレントゲン技師でもガンの9割を見落としていた(メイヨー・クリニック!)」
<第2章「人はみな「意味」を探す」>
・「元同級生の顔は覚えているのに名前を忘れてしまうのはなぜか。記憶にとって「意味」が何よりも大事だから」「他人の何を覚えていたかの実験で、一位職業二位趣味三位出身地・・ぶっちぎりの最下位名前」「簡単にできる記憶術は意味と関連づけること」「人格判断をすると人の顔を覚えやすい。好ましくない人格(犯罪者など)の顔は覚えづらい」
<第3章「点と点を結びつける」>
・「脳は私たちがつながっているとは「知らない」点と点を結びつける」「見た目が良いほど有能と判断される」「高いワインほどおいしい、プラシーボ(偽薬)以外に大事な「色」」
・「人は「不作為」よりも「行為」に後悔を感じる。誤りを犯しそうなときは、不作為の誤りの方を選ぶ」「行為した後悔が実際以上に記憶に残っているため、人は「最初の答え」にこだわるが、統計的には「修正した回答」の方が正しい」
<第4章「楽観的に見過ぎる」>
・これは実感としてよくわかる「人が自分の行動を振り返るとき、えてして見方が甘くなる」「結果を知ると記憶が変わる。後知恵により意見を変えているときも、昔からずっと同じ意見だったと思い込んでいる」
・「医師の84%は同業者がメーカーからの贈与に影響されていると考えるが、自分が影響されていると考える医師は16%」
<第5章「タスク飽和」>
・「空軍事故の共通原因はタスク飽和(一度に多くをしようとし過ぎること)」「マルチタスクは現代の特徴だが大きな神話(実はコンピュータもマルチタスクはできない)」「作業から作業にスイッチすることの問題は、作動記憶(前の仕事のことをすぐ忘れる)、不稼働時間(前の仕事に戻りその意識を取り戻すまでの時間)、注意が散漫になることによる見落とし、脳は気が散り易い、コミュニケーション&エンターテイメント機器満載の現代車の行先は墓場?」
<第6章「フレーミング~ああ勘違い」>
・「日常の多くのもめ事は間違ったフレーミング(問題を捉える枠組み)が原因」「600人のうち200人助かる選択肢が400人死ぬ選択肢より好まれる」「結果が出るのが先であればギャンブルも辞さないが、すぐ出れば慎重になる」「ローン案内に女性の写真を載せるだけで利率を5ポイント下げたのと同効果があった」「アンカー効果(問題に直面した人は答えを一定の数字に結びつける。「セット価格」や「一人何個まで」など)」
<第7章「スキム」>
・「人は得意なことほどスキム(情報の表面的な理解)したがる(一つ一つの星でなく星座として認識)」「それと引き替えにディテールが見過ごされる」「日常の出来事を認知する上で私たちは状況という偉大な杖に依存。たいがいはそれでいいが、見落としが起こる可能性も高くなる」
<第8章「きれい好き」>
・「地図を書くときなど見た目をきれいに揃えてしまう傾向」「目標までの距離は、目標からの距離より短いと判断する」「ミツバチは推測航法で最短距離で飛べるが、人間にはそれができず、情報を階層化、整理して反応する」「人は聞き手の好みに合わせ話をする、単なる情報伝達のときはディテールを省き、面白い話のときは誇張する」「なぜ人は嘘をつくか、それは、対話の目的が単なる情報伝達ではなく、自分への(好)印象を作らせるためだから」「無意識に作り替えた話も二度三度話すうちに記憶そのものになる」
<第9章「男は先に撃つ」~第10章「みんな自分は人並み以上だと思う」>
・「男は自分の才能を過大評価し、女は過小評価する傾向が強い」「一般的に男は自分を持ち上げるために、女は他人を持ち上げるために嘘をつく傾向が強い」「道に迷ったとき女は足を止め人に尋ねるが男はやみくもに歩き回ることが多い」
・「みんな自分を過大評価している(それを利用したビジネスモデル)」
・「例外は気象予報士、その理由は自信過剰への治療法と関係がある。それは、フィードバックの力」「バフェットでさえ35億ドルもの大損をしたことがある。しかし会社組織にフィードバックが働いているので大成功を収めている」「奇妙なことに課題が難しくなるほど自信過剰のレベルは上がる」「情報過多で「知識」が増えるのでなく単に「自信」が増えるだけのこともある」
<第11章「頭より先に手が動く」~第12章「人は自制しない」>
・「ほとんどの専門家は実際より多くを自分が知っていると思っていた(専門家も素人も同様に偶然に毛が生えたほどしか予測は当たらなかった(臨床心理士、株式アナリスト、保険数理人等)」
・「では専門家を専門家たらしめているのは何か。超一流の専門家は頭の中に専門知識の図書館を持っている。これを作り上げるためには10年とか1万時間などの努力や練習が必要」
・「人は指示に従うより勝手にやりたがる。自動釘打機事故の大半は指示書を読まなかったこと。しかしマニュアルなど読まないもの」
・「ミスを減らす方法として「制約(はさみ持ち手の穴の大きさと形)」と「アフォーダンス(使用法の手がかり、レゴなど)がある」
・「深刻な医療ミスの原因に、間違いやすい容器や名前」「誤用を防ぐデザインなどを真剣に考える必要がある」「同時に、人的ミスの根本原因の分析には、これまで見て来たような人間の動機付けへの深い理解が必要」「危険度の高い職業の多くは、ベルト&サスペンダー方式(二重の安全対策)をとりだした」
・「失敗する確率が低い組織(高信頼性組織、HRO)にするため、地位に関係なく起こりうりミスに対等にものを言い合える環境は重要」
<第13章「思ったほどとなりの芝生は青くない」~「おわりに」>
・「人生の重大な決断に直面したとき、人はさほど重要でない要因(カリフォルニアの気候)に注目してしまい、より重要な他の要因(通勤時間、生活費)を軽んじる傾向がある(焦点幻想)」「逃れられない状況に陥った人の方が受け入れることを学び、人生の幸福感を高めていく」
・「間違いを少なくするため、「身の程をわきまえること」、「フィードバックすること」「失敗を予期するネガティブ・シンキング」「ゆとりを持つこと」「体験談より平均値」「幸せであることは間違いを防ぐ上でも役に立つ」
<感想>
・この本の指摘はそれぞれ大変な目からウロコだった。結局、現実(特に自分自身)をありのままに受け止めることが、問題の解決に一番役立つということか。そう思うと人生も楽しくなる。

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2010年06月19日 | コミュニケーション | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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