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7月 民法の”なぜ”がわかる(第3部歴史的背景から民法を学ぶ~民法を根源から理解しよう)

(著者)前田達明(有斐閣)*05年11月30日初版第1刷
*1部、2部と同様、新しく知ったことなどを中心に記載

<第11章民法の基本原理について>
・「日本民法の3原則「私的自治の原則(自由)」「権利能力平等の原則(平等)」「所有権絶対の原則(財産権の保障)」は、フランス民法典←フランス人権宣言←イギリスのジョン・ロックの思想に由来する」「イギリスで3原則が生み出され得た理由は、精神的自由特に宗教的自由の存在と経済的豊かさの基盤があったから」
・「3原則中最も重要な「自由その具体化である契約自由の原則」にはディレンマ、契約をめぐる訴訟のほとんどが裁判所による「契約の創造」(規範的解釈、当事者の意思で定めていないことを補充したり、意思で定めたことを否定したりする)を要請するものであり、私的自治と矛盾」「矛盾解消のため法学者は努力を傾けており、21世紀は契約の世紀となるのではないか」

<第12章法人の能力と目的>
*法人の権利能力、行為能力、不法行為能力は、以前からよくわからなかったが、これほど本質的な問題があったということはがわかり、とても勉強になった。(以下条文Noは現代語化前のもの)
・「民法43条は法人の権利能力と行為能力、44条が不法行為能力の規定(我妻)と解されているが、43条は権利能力でなく行為能力の規定(末川)、43条は権利能力でなく理事の代表権の規定(川島)、43条は権利能力でなく行為能力でありそれは理事の代表権の規定(四宮等)などの解釈もあり、近年は43条は権利能力に関する規定でなく、また、法人の行為能力や不法行為能力の用語を使用しない考えが有力(奥田等))」
・「43条の立法過程を見ると「越権行為(ウルトラバイレス、以下u.v)理論」が決定的な影響を与えた」
・「u.v理論とは、会社は定款によって明示的又は黙示的に認められた目的の範囲内においてのみ行為することができ、目的の範囲を越えてなした行為は会社の能力外の行為で無効であるというもの。その根拠は、会社はその擬制的性格の帰結として自然人たる代表者によってのみ行為し得るのであり、定款によって明示的黙示的に与えられた能力のみを有するという点にある」
・「しかし、u.v理論は取引の安全や企業活動の多様性の面から時代が進むにつれ不便なものと考えられるようになり、緩和の方向に進んだ」
・「現代においてu.v理論は評判が悪いが、この理論が批判されているのは株式会社においてである。現代における株式会社の社会的機能の重要性に鑑みれば、この理論は責任逃れの隠れ蓑としての機能のみが目立つであろうが、この理論の出発点である公益的事業(公益法人)については別の利益衡量が可能である」
・「英米で発展したu.v理論の条文化ともいうべき43条を、学説は権利能力や行為能力というドイツ普通法学の概念で解釈してきた」「法人の権利能力は認めて良いが、行為能力は自然人特有の法概念で法人には無関係」
・「公益法人については安易に「目的外」行為を取引の安全の錦の御旗の下に有効とする構成は望ましくない。無効を貫くべきで、損害を被った相手方は理事等に損害賠償できると考えるべき」

<第13章民法176条および177条の立法前史>
・主に物件変動に関する法制度ができてくる歴史を、ローマ法の時代から語ったものでとても面白い。

<感想>
・圧巻は何といっても12章。私の理解では、(現代語化前の)43条等が法人擬制説に立って作られたがその後法人実在説によって解釈されたことによる不都合さを、公益法人に限って軌道修正しようとされているもの
・法人擬制説と関係ないかも知れないが、最近まれに見る感銘を受けたR・ライシュの「暴走する資本主義」の法人税廃止の主張も、本来擬制であるはずの法人があたかも実在のものであるように扱われ、その無法な振舞が放置されている超資本主義の現代において、もう一度原点に立ち戻り、法人を株主などの自然人に分解して考えようという発想があるのではないかと思った。同書をそのように理解すると、前田先生の主張(先生は公益法人に限っているが)と問題意識が重なっているのではないかと思う。よくはわからないが、超資本主義の時代から社会を守っていくためには、法人等を「自然人」に分解して考える法人擬制説的な発想が今こそ必要なのではないかと思う。以上

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2010年07月18日 | 法律、ルール | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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