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8月 消費税のカラクリ

(著者)斎藤貴男(ジャーナリスト、講談社現代新書)*10年7月20日第1刷
<読んだ経緯>
・消費税増税が、是非でなく時期の問題になりつつある感のある中、「本書は消費税論の決定版である」との前書に惹かれ購入。確かにある意味「決定版」と言える本だと思う。
<概要>
・「マスコミが流す「消費税の問題点」は①逆進性②益税③消費、景気への悪影響だが、本書が追求するのは、これらとは異なり、消費税増税により中小零細事業者がことごとく倒れ、ちまたにワーキングプアや失業者が群れをなすことになるということ」
・「消費税は国税滞納額ワースト1、08年の新規国税滞納額8988億円(1.8%増)、うち消費税4118億円(3.4%増)」「これは悪徳業者のせい、だけでは説明できない」「消費税の納税義務者は事業者であり、消費者ではない」「消費税は大赤字でも取り立てられる税金」「不況で激化した市場競争で価格に消費税を転嫁できない事業者が激増した結果でもある」
・「04年度に免税点が3千万から1千万に引き下げられ、ほどんどの中小零細事業者が納税義務者となったが、元請への請求書上は消費税を転嫁できたことになっていてもその分を含めて単価を引き下げられており利益など出る訳がない事業者が多い中、転嫁できる、できないという表現にどれだけの意味があるのか」「消費税は直接税なのか間接税なのか。間接税とされているが、本当に間接税なら(悪徳業者を除き)滞納は発生しないはず」「経産省の02年アンケートに、売り上げ3千万円以下の企業の52.3%が「完全な転嫁はできない」(「ほとんど出来ない」が29.7%)と回答、売り上げ規模が小さいほどこの割合が高くなる」「消費税は事実上の売上税」
・「東京地裁の90年3月26日判決(サラリーマン新党が消費税益税の違憲性を主張)で、「消費税法等が事業者に徴収義務、消費者に納税義務を課したものとはいえない」「消費者が税相当分として事業者に払う金額はあくまで商品等の対価であり、税そのものを恣意的に徴収されている訳ではないから憲法84条に反しない」とされたが、後半の論旨はもともと国が主張したもの(消費税が消費者からの「預かり金」ではないことを明確に主張)」「しかし、国税庁のポスター等ではこの「預かり金」説を広くキャンペーンしており、これは悪質なプロパガンダ」
・以下、滞納消費税にまつわる中小零細企業主の自殺事件等が多数紹介、いずれも悲惨なケース
・「一方、輸出大企業には仕入れ時の消費税相当分がまるまる還付される輸出戻し税制度があり、事実上の輸出補助金となっている」
・「仕入れ税額控除(派遣に切り替えると合法的に節税できる)の悪用により、消費税はワーキングプアを生み出す(従たるではあるが)原因にもなっている。摘発も増えているがそれはやりすぎただけで、消費税は派遣への動機付け」
・「このように中小零細企業に大打撃を与える消費税増税についての反対運動は広がっていない」「いろいろな理由があるが、学者やマスコミが、消費税の問題点を最初に挙げた3点に矮小化してしまい、本書で取り上げた点を意識的に無視していることも一因」
<感想>
・大変説得力のある本だった。「対案がない以上多少問題点があっても消費税を上げるしかない」という感じもするが、たとえ、消費税を上げざるを得ないにしても、ここで主張されているような、今までの日本の産業、地域を担ってきた中小零細企業が軒並み「滞納」になるようなことは絶対起こさないようにしないといけないと痛感した。

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2010年08月29日 | 法律、ルール | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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