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9月 領土問題の本(2冊)

(1)島国ニッポンの領土問題(著者;中澤孝之(元・時事通信社外信部長・モスクワ支局長)等、出版社;東洋経済新報社*05年8月11日発行)
(2)日本の領土(著者;芹田健太郎(神戸大学大学院教授)、出版社;中央公論新社(中公叢書)*02年6月10日初版発行)
<きっかけ>
・尖閣諸島での中国人船長の逮捕以降の中国側のすさまじい反応、対応(とそれにも増して、信じられないような日本政府の対応)を見て、領土問題の恐ろしさと重要性(日常の地道な友好活動のすべてを一瞬のうちに破壊し、双方を反目させあう力を持つ問題)を再認識したため、急遽アマゾン中古で、読みやすそうな本を2冊購入して読了
・領土問題があっても(抱えながら)、隣国どおし仲良くやっていくにはどうしたらよいか(良好なコミュニケーションをとっていけるか)ということについて、一人一人が真剣に考えなければならないのだということがよくわかった。
<概要>
(1)の本
 ・「図解」と銘打つだけあって、地図等が多用された、わかりやすくかつ一般向けとしては過不足ない内容
 ・「日本は領土面積は世界第59位だが、東西南北に点在する島部のおかげで、排他的経済水域の面積は世界第6位」「北端は択捉島、南端は沖ノ鳥島、東端は南鳥島、西端は与那国島」
 ・北方領土問題
  「1855年の日露通好条約で択捉島とウルップの間(フリーズ海峡)に国境を確定した」「サンフランシスコ平和条約で放棄した「千島列島」に北方4島は含まれない」(北方領土関係は、東郷和彦さんや鈴木宗男さんの本で詳しく述べられているので省略)
 ・竹島問題
  「竹島は、西島と東島その他数十の岩礁からなり、総面積は日比谷公園とほぼ同じ0.23平方キロ。現在韓国の海岸警備隊が常駐し、武装占拠が続いている」「無主の地であったリャンコ島を日本政府が1905年に内閣決議で日本の領土とし島根県に編入」
  「当時から韓国側はそれに反発していたが、その5年後に日韓併合」「竹島は韓国側から見れば「最初の犠牲の地」となる」「サ条約で日本の領土と確認されたが、李承晩ラインを経て(この間、韓国政府発行の独島(竹島)切手を貼った郵便物を日本政府が受取拒否をする事件も)1954年から韓国が武力占拠」
  「韓国は子どもの頃から自国の立場を教育しているが、日本ではそれが全くなされていないだけでなく、外交的努力もしてこなかった」
 ・尖閣諸島問題
  「尖閣諸島は、魚釣島等5つの島と3つの岩礁からなる、一番大きい魚釣島は3.82平方キロで平らな場所はほとんどないが、島の西部に船着場、かつお節工場跡地、それと日本の政治団体の建てた灯台がある、周辺海域は日本が実効支配」
  「長いこと当然のように日本の領土と認識されてきたが、戦後周辺海域に豊富な石油資源が確認されたことから、1971年に中国と台湾も領有権を宣言した」「両国は尖閣諸島がサ条約でアメリカ統治になった際それを認めていたが、ここにきて尖閣諸島は日清戦争でかすめ取られたもので、サ条約の処理自体が片面的で問題であるというようになった(ちなみに両国は、沖縄も本来的な日本領土と認めていないおそれもある)」
  「日中間では未だに排他的経済水域が画定されていない(中国は大陸棚自然延長説(大陸から張り出した大陸棚はすべて大陸国家の排他的経済水域になる)を主張し、日本は海洋法条約の沖合200カイリ説(距岸距離説)を主張、それぞれ一長一短)」
  「中国では、童増らの民族主義者が保釣運動(釣魚島保全運動)に関心を抱き始め活動を展開、80年代は当局に厳しく規制されていたが、90年代半ばから次第に規制が緩み、活発化」「日本は1978年の日中平和友好条約締結の際中国(小平)の戦略に丸め込まれた。彼の「一時棚上げ」発言を認めたため、実効支配していたにもかかわらず海底油田開発を事実上封じられた。日本は尖閣諸島が日中間の係争問題であることを認めてしまった」
「アメリカは、沖縄返還前は実効支配を明確にし、返還後も「尖閣諸島は日本の施政管理下にあり、日米安保が適用される」と述べているが、同時に「最終的な主権問題についてはいかなる立場もとらない」と主権問題に関わることを慎重に避けている」
 ・その他
  「日本の最南端沖ノ鳥島(合わせても4畳半程度)ははたして島か→海洋法条約で島とは満潮時に露出していなければならない。日本は補強工事を行い島性を確保したが、2004年中国は突如沖ノ鳥島は島ではなく岩にすぎないから、200カイリの基点にはならないと主張し、この海域での調査活動を活発化させている」
(2)の本
 ・領土問題について詳しく解説するとともに、各問題について国際法の観点から「どうしたらよいか」という考察を行っておりとても勉強になる。以下考察部分を中心に記載する。(北方領土は同上の理由で省略。私自身は、「四島一括返還」を免罪符のように唱えているだけでなく東郷さんや鈴木さんのように弾力的に対応すべきだと思うが)
 ・尖閣諸島問題
  「解決方法としては、紛争地を現に占有しているのがどちら側であるかによって異なる」「日本は1895年の無主先占地の編入(閣議決定)をしており、現在までそれを覆す資料はでていないが、今後たとえでたとしても日本側の「権利の創設」の方が中国側の主張するであろう「権利の存続」には優先する。さらに、クリチカル・デート(その日までの事実が国際裁判所によって証拠として採用され得期日)も、幸か不幸か中国側が抗議を始めた1971年となり、実効支配をしている日本に有利であるので、現在の占有をそのまま継続するだけでよい」(ただ著者は上記小平発言を評価しているが、(1)本の見方の方が正しいのではないかと思う)
 ・竹島問題
  「日本側としては積極的に有効な抗議を繰り返さなくてはならない」「竹島が韓国に属すべき正当な理由はないが、日本側の抗議もペーパー・プロテストで満足しているのではないか」とし、(1)と同じく、両国における教育の差について言及、両国による建設的協議の必要性を強調
 ・東アジアの安定と共生のための2つの提案
  「1つは、尖閣諸島自然保護区、竹島自然保護区の設立であり、他の1つは、日本海、黄海、東シナ海における資源、環境保護の国際制度としての日・中・韓・台による共同漁業水域の設定であり、目指すのは、東アジアひいては世界において信頼される日本の安定的な存在である」
<感想>
・領土が絡むとナショナリスティックな感情に火がつくおそれがあるので、政府が言うように「戦略的な互恵関係を考えて冷静に対応しなければならない」と思うし、感情的な政府批判を助長すべきでもないと思う。ただ、やはり総理大臣等には(他人事のような雰囲気ではなく)自らの言語(と受け取られるような雰囲気で)国民に語りかけてほしい。それがあって初めて「国民との対話、コミュニケーション、協働」が始まるのだと思う。ぜひ国民と「対話」をしてほしいと思う。
・それと、日本がこれから生きていく上で中国は欠かせない国だとは思うが、そのカントリー・リスクは思っている以上に大きいものだということも今更ながら明らかになってしまったとも思う。(どうすればよいかはわからないが・・)以上 

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2010年09月25日 | コミュニケーション | こめんと 0件 | とらば 0件 | とっぷ

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